他の業種から転職してくる人も多く、とても人気のある医療事務のお仕事
実は通常の診察業務以外にもたくさんの業務を担っています。
具体的に医療事務とは「どんな仕事内容で、どんなことに気をつけて仕事をしたらいいか」
専門職である医療事務はなかなか体験してみないと仕事内容が分かりづらく、専門用語も多くハードルが高く感じます。
そこで医療事務歴10年以上の私が、仕事内容やそれぞれの業務のポイントを詳しく解説していきます。

資格はメディカルクラーク(医療事務技能審査)とメディカルオペレータ(医事オペレータ技能認定試験)を持っています。
医療事務職に興味があるけど、不安がある方はぜひ本記事を参考になさってみてください。
サービス業は人を『0から1』のプラス感情にすることができ、医療事務は人を『−1から1』にできる職業です。
医療事務の仕事内容と気をつけたいポイント
仕事内容は大きく分けて3つ
- 通常の診療業務
- レセプト、その他の請求業務
- その他業務(書類作成や在庫管理)
一つずつ解説していきます
診療業務は受付、レセコン入力(PC入力)、会計、カルテ出し、電話応対が主な業務内容です。
通常の診療業務
受付
来院患者様の受診手続きを行います。
保険証の受領をし、問診票へ記入のお願いをします。
保険証の情報をpcへ入力、カルテを作成して診察室へ。
✔︎待ち時間に関しての問い合わせが多いので、診療の進み具合も把握しすぐにお伝えできるようにしましょう。
- 受付時は必ず患者様の顔を確認し、すぐに対応が必要な場合は看護師、医師に伝えます。
- 医療現場では事務業務であろうと患者様情報の入力については一文字のミスも許されません。
- 名前の漢字、ふりがな、生年月日、保険証番号など、必ずダブルチェックが必要です。
- 例)斎藤の「さい」の字→斎、斉、齊
レセコン入力(PC入力)
※「レセコン」とは『レセプトコンピュータ』の略です。
※「レセプト」とは保険者に請求する診療報酬明細書のことです。
医師が記載したカルテも元に診療費を計算し、患者様の負担分を算定します。
診療内容に応じた品番やコードや数量など正確に入力します。入力すると診療報酬点数が計算されるシステムになっています。
- 大学病院や大きなクリニックでは科も多く、膨大なカルテの入力になります。
- 何千とある品番やコードを全て暗記し、正確かつ、スピーディな入力が求められます。
会計業務
明細書、請求書、処方箋をダブルチェックの上、会計業務を行います。
自動精算機の導入も増えましたが、クリニックは窓口現金のお支払いもまだまだ多ため正確に行いましょう。
次回の予約のアナウンスをします。
- お会計窓口では質問されることも多いため、事務からお答えできることはお答えできる知識をつけておきましょう。
- 診察の内容に関しては医師、看護師に迅速に伝達することが重要です。
カルテ出し
電子カルテの導入が多く進んでいますが、まだまだ紙カルテの良さを支持するドクターは多く、その場合カルテ出しは欠かせません。
スムーズな診察のため日頃からカルテの管理を徹底し、診察室へ運びます。
- お名前が同姓同名や一文字違いの患者様が同時に来院される場合もあります。
- 間違えのないように、スタッフ全員へ共有することが重要です。
電話応対
予約の電話、症状の問い合わせ、診療内容の問い合わせ、費用についてなど多岐にわたり多くの入電があります。
事務からお答えできることはお答えし、診療の内容などに関しては看護師や医師に伝達します。
- 電話では急な症状や緊急性の高い場合が多いため、迅速に内容を聞き取り、医師や看護師伝達することが重要です。
- 相手の顔が見えないので、対面の時より話し方、接遇や声のトーンに気を付け、誠実に対応しましょう。
レセプト業務、その他の業務
レセプト業務
医療機関の窓口で支払っている金額は患者負担分のみで、最大3割です。残りの医療費を健康保険の保険者に請求します。
よってレセプト業務とは健康保険組合や市区町村などから診療報酬の残りの7割(人により異なる)を請求するための業務になります。
レセプト業務は当月の分を翌月の10日までに提出します。
- レセプトの出力
- 当月に来院した全ての患者のレセプトを発行します
- 医療機関の規模によって異なりますが、数千枚の発行になることも。
- レセプトの点検
- 傷病名と診療内容処方した薬の整合性がとれているかを主として、レセプトの決まりに沿って間違いがないか一枚ずつ点検します
- レセプト訂正
- エラーや点検での間違いを訂正します
- 医師による最終確認
- 最終訂正
- 審査支払い機関に提出
- 提出内容に誤りがあると審査支払い機関から差し戻されたり診療報酬の減点作業が行われます。
- 差し戻された返戻は訂正し、再提出
- 日々の入力で間違いを減らし確認をしっかり行うことで、月初のレセプト業務の負担が減ります
- 患者様が変更後の保険証を提出していない場合ももちろん返戻されますので、毎月の保険証確認はとても重要です
その他の請求業務
医療機関は保険診療の病院だけではありません。
美容皮膚科、検診、歯科(矯正やホワイトニング)、不妊治療などは医療機関独自で金額を設定していますので、患者様に請求するため請求書や領収書の発行などを行います。
その他業務(書類作成や在庫管理)
通常診療以外にも書類作成業務を行っています。
例えば…
- 民間保険の書類作成
- 患者様が民間の保険に加入していて傷病した場合、証明書の作成に医師の記入が必要になります。保険会社や患者様から依頼を受け、医師に依頼したり電話で確認対応など
- 紹介状やカルテの保管期間があるので整理や管理
- 医療機関を通じて紹介が必要な患者様の予約の調整と案内
- 学会やカンファレンスの資料作成
- 備品の管理、補充 など
医療事務の楽しさとは?
医療事務は事務職として書類作成やパソコン作業を行いつつ、患者様ともコミュニケーションがとれるところが最大の魅力です。
感謝されることはもちろん嬉しいですし、医療者の一員として知識を深めることで患者様の役に立つことで自分自身の自信やモチベーションにもつながります。
クリニックであれば全ての業務をまんべんなく学ぶことができますし、大きな病院であればより多くの症例に触れ知識を深めることが可能です。
また内科、皮膚、眼科など自分が関心のある科を選択することができるのも◎。
ライフスタイルの変化が多い女性にとって、医療事務は専門職のため再就職もしやすく残業も少ないので家庭との両立がとれるのはとても助かります。
職場の雰囲気としては先生は男性が多いですが、看護師や医療事務は女性が多く女社会です。
女子校出身の私からするとその環境もとても居心地が良くアグレッシブに仕事ができる環境だと感じます。
共働き世帯が増えていますが、子供の年齢に合わせて同じ職種でキャリアを積みつつ、正社員でもパートでも柔軟に対応できるのは大きな強みではないでしょうか。
サービス業は人を『0から1』のプラス感情にすることができ、医療事務は人を『−1から1』にできる素晴らしい職業です。
事務作業と人に関わる仕事が好きな人にはとてもおすすめしたい、楽しいお仕事です!