「子ども3人くらい欲しいけど、現実的に2人が限界だよね〜」
新婚夫婦やお付き合いしているカップルの多くは、子どもの希望人数について会話をしたことがあるのではないでしょうか。
パートナーから返ってきた答えが自分の理想人数と同じなら良いけど、かみ合わないこともありますよね。
実際に子育てをしている人たちはどんなことに子育てのしやすさ、しづらさを感じているのでしょうか。
私自身二児の働く母として、内閣府のデータを元に「日本での子育てのしやすさ、しづらさ」について解説します。
日本は「教育費の問題」が浮き彫りになりました。
漠然と感じている子育てへの不安、マイナスイメージを可視化することで、これからの人生設計に役立てて下さい。

2021年6月11日にネットニュースや新聞でこんな衝撃的なニュースが目にとまったの『日本は子育てしづらい6割』

それが、2021年6月11日に内閣府より発表された令和2年度「少子化社会に関する国際意識調査」だったんだね
子育てしやすい4割、子育てしづらい6割、日本と欧州の比較
<対象国>
日本、フランス、ドイツ、スウェーデン
<調査年齢>
20~49歳の男女
<調査時期>
2020年(令和2年)10月~2021年(令和3年)1月
日本(フランス・ドイツ・スウェーデン)について、子供を生み育てやすい国だと思うか 自国が子供を生み育てやすい国だと思うか聞いたところ、日本では、「全くそう思わない」(13.9%) 「どちらかといえばそう思わない」(47.2%)合計した『そう思わない(計)』が 61.1%と多数を占 める。
内閣府 令和2年度「少子化社会に関する国際意識調査
日本の結果の内訳は以下となりました⬇︎
子供を生み育てやすい国だと思うか | (%) |
とてもそう思う | 4.4 |
どちらかといえばそう思う | 33.8 |
どちらかといえばそう思わない | 47.2 |
全くそう思わない | 13.9 |
無回答 | 0.7 |
そう思う(計)…38.3%
そう思わない(計)…61.1%

子育てがしやすいと答えた「とてもそう思う」の解答について日本と欧州3カ国をお比較してみましょう♪
とてもそう思う | (%) |
日本 | 4.4 |
フランス | 25.5 |
ドイツ | 26.5 |
スウェーデン | 80.4 |
この結果から日本では『とても子育てしやすい!』と思っている人は他の国に比べても大差をつけて、少ないことが分かりました。
しかしその一方で「子育てしやすい」と思っている方も4割近くいることが判明しました。

どんな理由でそう感じているんだろう?
子育てしやすい理由5選
<子供を生み育てやすい国だと思うと回答した回答者>(複数回答)
子供を生み育てやすいと思う理由 | (%) |
1、地域の治安がいいから | 52.0 |
2、妊娠から出産後までの母体医療・ 小児医療が充実しているから | 46.1 |
3、教育費の支援、軽減があるから | 39.0 |
4、各種保育サービスが 充実しているから | 37.9 |
5、公園など、子供を安心して育てられる 環境が整備されているから | 32.0 |

上記の理由を詳しく私の経験も織り交ぜながら解説していきます。
- 地域の治安がいいから
- 子供が迷子になった時、店員さんや近くにいる方が保護、アナウンスしてくれた
- 小学生くらいの子どもが一人で歩いていても安全なことが多く、学バスなど利用しなくても徒歩で通学可能
- 妊娠から出産後までの母体医療・小児医療が充実しているから
- クリニックと大学病院や総合病院が連携されていて、高齢出産や多胎などの高リスクの患者でも安心して出産できる
- 悪阻や切迫早産など急な入院を要する症状にも対応できる医療が整っている
- 小児の予防接種や検診の無料サービスの充実、疾患に対する治療がすぐ受けられる環境にある
- 教育費の支援、軽減があるから
- 児童手当の支給がある
- 幼児教育・保育の無償化や子どもの人数に応じて費用負担の軽減がある
- 子ども医療費の助成
- 各種保育サービスが充実しているから
- 一時保育や病児保育の利用がしやすい
- 共働き世帯は大変助かる、ファミリーサポートやベビーシッターサービス
- 延長保育や休日保育が充実していて、当たり前に使える
- 公園など、子供を安心して育てられる環境が整備されているから
- 歩いていける範囲に多くの公園がある
- 夜には施錠され管理されている公園もあり、より安全に楽しく公園を利用することができる環境が整っていると感じる
子育てのしづらさ、課題
育児を支援する施策として何が重要だと思うか聞いたところ、
日本では、「教育費の支援、軽減」が69.7%と最も高く、
以下、「子育ての経済的負担を軽減するための手当の充実や税制上の措置」(49.3%)、
「雇用の安定」(45.4%)などの順となっている。各国の結果を比較するとフランス47.7%、ドイツ 56.8%で「各自のニーズに合わせた保育サービスの充実(保育所、保育ママ、ベビーシッターなど)」スウェーデンでは、「男性の育児休業の取得促進」が59.9%となっている
内閣府 令和2年度「少子化社会に関する国際意識調査
この結果から分かるように欧州では「保育サービスや体制の課題」が上位になった。
日本では上位3位まで教育費や経済的負担の軽減を望むものとなっている。
日本での子育ては『教育費さえクリアすれば子育てしやすい』
子ども一人大学まで育てるのに公立か私立かで大きく金額に差がありますが、
3000〜4000万円かかると言われている。
このような多額な教育費(特に大学)が今の日本ではかかることから、子どもの産む人数を考えてしまうのは致し方ないことでしょう。
しかしながら、この費用の問題さえクリアできれば、治安もよく、医療や保育のサービスも整っている日本で子育てをしていくのは大きなハードルでもないと感じます(待機児童などまだまだ課題は残るが…)
日本に生まれ育ち、当たり前のように治安のいい環境やサービスが溢れていることで、子育てしづらいところにフォーカスが当たりがちになっているのではないかと今回の結果を見て感じました。
とはいえ女性の社会進出、核家族化、地域の輪が減ってきている日本で、日々まだ理解の足りない子どもを毎日育てていくのは本当に大変なことだとも私自身感じています。
これからもさらに国や市町村の制度が拡充し、より子育てしやすい国になると嬉しいですね。